貯蓄型保険という金融商品
保険というと生命保険や医療保険、自動車保険のように万が一の病気や怪我が起こった時の補償を目的としてかけるイメージが強くなっています。
ですがバブル期の急激な経済発展があった時期には「保険」そのものが高額の金融商品として多く取引をされてきました。
そうした加入をすることで契約期間満了後に多額の利率がついた金額の返還を受けることができる商品のことを「お宝保険」と言われることもあり、当時は銀行の定期預金の倍以上の利率がついているなんてことも珍しくありませんでした。
参考までに掲載しておくと、最も「お宝保険」が多く出回っていた昭和60年当時には10年以下の契約をした生命保険の予定利率はなんと6.25%とされており、当時の定期預金の平均的な利率が2~3%くらいだったことを考えるといかにお得な商品だったかということがわかります。
現在では当時のような強烈なインパクトはないにしても、銀行預金よりもかなり高い予定利率を提示している保険はいくつかあり、投資先としての魅力は依然として継続しています。
平成25年時点でも1~1.5%程度の予定利率が提示されていましたので、銀行の定期預金0.2%と比較してのお得度は十分すぎるくらいです。
一方でこの高い予定利率は保険会社にとって好景気が終了してからの重い足かせとして残っており、この利率を高くつけすぎたために現在苦しい経営をすることになった企業もいくつかあります。
これから保険に加入するなら予定利率だけでなくその会社の安定性にも十分注意しておきたいところです。
生命保険の種類について
保険の中でも長い期間を通じて加入をする必要があるのが生命保険です。
特に家族がいたり扶養義務がある人と暮らしている人などは自分の体に万が一のことが起こったときのことを考えて早めに生命保険には加入をしておきたいところでしょう。
生命保険として販売されているものにもいくつか種類があり、加入をする人の家族環境や必要と思われる保障内容から選んでいくことになります。
生命保険を大きく分けると「定期保険」「終身保険」「養老保険」というふうになります。
その他にも特別な条件を付けて加入する「三大疾病保険」といった特殊なものがありますが、まずは基本的な上記3つについて正しく理解をしておくことが必要と言えます。
まず最も一般的なのが「定期保険」で、これは契約時にあらかじめ5~10年など契約期間を定めておき、その期間中に保険料を支払うことでもし補償が必要になる事態が発生した場合には保険金が払い戻されます。
保険料は10年くらいまでの短期契約なら一律据え置きのことが多いのですが、年齢が高くなってくると次第に保険料が高くなっていくという特徴があります。
ちょっと変わった定期保険として「逓減定期保険」という、保険料は一律であるものの実際に払い戻される保険金は高齢になるほど低くなっていくというタイプのものもあります。
期間を定めず一生加入をするのが「終身保険」で、加入をすると契約者本人が亡くなるまでずっと保険料の支払い義務が発生します。
途中で解約をすると払戻金が受けられることもあり、金融商品として使用するにはちょっと使いドコロが難しい保険と言えます。
終身保険と貯蓄をセットにしたものもあり、終身保険の保険料の一部が積立をされるようになっていて、解約をするときには貯蓄部分に利率がかかった金額を受け取ることができるなど便利なプランもあります。
資産運用としての養老保険の価値
生命保険の中でも資産運用としての価値が最も高いと言えるのが養老保険です。
通常の生命保険では保険料が掛け捨てになることも多いのですが、この養老保険の場合は保険料の支払いに一定の期間を設けることにより、その期間が終わったあとも生命保険の補償は継続して途中で解約をすることもできるようになっています。
保険商品がそのまま個人年金として運用できることもあるため、長期的に加入するならそうしたものも調べておくことがよいでしょう。
ただし最初にも述べましたが保険会社は不安定な運営をしている企業もあるため、加入時には安定性をしっかり調べておくことも忘れないようにしてください。