相続したら資産がなくなった!?
都内に何世代にもわたって住んでいる人たちにとって大きな悩みとなっているのが相続税です。
相続というと普通は親世代の持つ多額の資産を子供たちが受け継ぐものなのですが、実は古くから都内に生活をする土地持ちなどの家庭においてはそうではないケースがたびたび発生してしまっています。
というのも相続が発生をしたときにはまず相続税を算出するため、国税局が故人の名義で所有していた資産価値のあるものを全て洗い出し、そこに評価額をつけていくことになるからです。
東京という場所は高度成長期~バブル期といった急激な資本の流入を経験してきたこともあり、戦後間もない時期には焼け野原同然だった土地が、70年という月日を経て一等地になってしまったということも珍しくありません。
そのため実際にはそれほど資産を多く持っていない家庭であっても、祖父や曽祖父から受け継いだ土地を所有してたことにより、数億もの価値とされる土地を所有しているなんていうこともあったりします。
相続税の計算は実際にその土地を売却したときの取引額ではなく評価額によって行われることとなっているので、そこに大きなギャップがあるとどうしても実際の資産状況以上の納税額が発生してしまいます。
都内に限らず現在土地を所有している人は、この相続時のギャップを考えた節税対策をしていくことが大切と言えます。
土地よりも建物があった方が評価額は下がる
土地の資産価値についてまず知っておきたいのが、更地の状態よりも何らかの建物があった方が土地の評価額は下がるということです。
例えば更地となっている場合の評価額が1億円であった場合、そこに賃貸アパートを建築をすることで土地の評価額は借地権割合によって評価額が下落します。
借家権割合は全国一律で30%となっているのですが、そこに借地権割合という数値をかけた数字で評価額の算出をしていきます。
借地権割合は地域によって異なりますが、大抵は60%もしくは70%となっているので、土地評価額はだいたい2割ダウンという計算となります。
ですので現在利用をしていない土地があるというときには、アパート建築などにより新たに建物を作っておくようにすると大きな節税をすることができます。
生命保険も相続税の対象になるので注意
相続で損をしないためにもう一つ覚えておきたいのが生命保険における相続税の取扱です。
ふつう相続税は契約者が亡くなった場合に配偶者およびその子供に契約していた金額が支払われるようになっています。
このとき満額を受け取れるわけではなく、支払われる金額から納税額の計算をすることになります。
ただし相続人の人数✕500万円までは非課税扱いとなっているため、その金額を意識した保険内容にするということも一つの節税対策となってきます。
なお同じ生命保険であっても養老保険のように非課税扱いになるものもあったりするので、保険に加入するときには相続についてもきちんと考えた上で加入をしておいた方がよいと言えます。
それと相続発生時に遺言書があるかどうかということでもかなり相続税の額が変わってきます。
全く遺言がない状態で相続が開始すると、どうしても相続人同士で相続分割協議で揉め事がおこりやすくなってしまい、土地の売却や資産の金銭価値への計算など余計な手間や費用がかかってきます。
できるだけ生前のうちに分割割合について話し合いをしておき、余計な手間や争議を起こさないようにする方が節税対策になります。