実家を出て独り立ちをするときにかかる費用
ここ10年ほどの傾向として、大学進学率が上がる一方で自分の居住地域を離れず地元の学校に通う人が増えてきています。
そのため大学卒業後も地元で就職をし、両親と同居しながら社会人生活を送る人も少なくありません。
しかしやはり社会人になったからにはどこかのタイミングで家を出て、自分の力で生活をしていくようにしたいところでしょう。
とはいえ一人で生活をしていくためには同居時とは比べ物にならないほどお金がかかります。
せっかく家を出たものの早々に経済的な問題で行き詰まってしまわないように、まずはいくらくらいあれば生活として立ち行けるかを計算してみてください。
一人暮らしをする時に必ずかかってくる固定費として「家賃」「光熱費(電気・ガス)」「水道料金」「通信費」があります。
そこに「食費」「日用品購入費」や「交通費」「交際費」といったものが加算されて一ヶ月あたりにかかるコストとなってきます。
この中でも最も給与に占める割合として大切になるのが「家賃」です。
最近の不動産投資ブームの影響で賃貸物件は都心部を中心に大量に建築されているため、家賃相場は下落傾向にあります。
ですがそれでも都内でワンルームに入居しようと思ったら6~10万円程度はかかってくるので、無理のない家賃で物件を選ぶようにしましょう。
基準としては家賃は月収の1/3くらいが適正とされていますが、その他の生活費との兼ね合いから多少前後をしても構いません。
学生は寮や学生マンションが利用できる
大学進学と共に一人暮らしを始める場合は、学生寮や学生向けのマンションがおすすめです。大学が運営している学生寮は非常に安価なことが多く、特に古い建物の場合は、驚くような金額で住めることがあります。
例えば、日本一古い現役学生寮の京都大学吉田寮では、月々たったの400円で住むことができます。吉田寮は築105年という非常に古い建物のため、取り壊しが行われる予定です。しかし京都大学生の下宿家賃相場はおおよそ5.5万円のため、寮生が立ち退かず取り壊しが難航しています。
吉田寮は学生自治寮のため、2019年現在も入寮募集を行っています。吉田寮現棟・寮食堂明渡請求訴訟や、署名活動の状況が公式サイトで確認できます。
吉田寮公式サイト
地方大学に進学する場合、地価が安いため格安で豪華なマンションに住むことができます。例えば鳥取大学生向けの学生マンションの場合、駅前でも3.3万円代で家具家電食事付き、バストイレ別、オートロックで管理人常駐の新築マンションを利用できます。都内で3.3万円の物件を探す場合、駐車場くらいしか借りられないことも珍しくありません。地方大学は家賃だけではなく学費も安いことが多いので、あえて地方に進学するのも一つの手段です。
このような学生向けマンションは、学生向けマンション検索サイトを利用することで探すことができます。
☞鳥取大学(鳥取キャンパス)の学生寮情報サイト 学生マンションドットコム
手取りで14万円くらいあれば安心
それほど贅沢な暮らしをせずに生活を成り立たせていくために必要とされる金額はだいたい14万円程度とされています。
これは家賃を7万円程度として計算した額のもので、食費を2万円くらいに押さえることで可能です。
ただしこれはあくまでも生活に必要最低限の内容での計算なので、例えば服飾費や化粧品にお金をかけたいという人や何か趣味がある人の場合は当てはまりません。
また食費2万円というのはほぼ毎日自炊をし、昼食もお弁当を基本にした場合の金額なので外食派の人はその倍くらいはかかると思った方がよいでしょう。
一人暮らしを始めたばかりのときというのは、実家ぐらしのクセが抜けずにテレビや電気をつけっぱなしにしてしまったり、すぐに外食をしたりといったようなこともあるため生活スタイルが決まるまで月あたりのコストはかなり上下します。
十分に収入があればよいですが、若いうちはそうそう急に給与は上がりませんのでまずは自分で家事をする習慣をつけて、できるだけムダのない生活をしていくように心がけたいところです。
そして余裕があれば月あたり数万円ずつ貯蓄に回し、着実に将来のための資金も用意していってください。