契約を自動化できる仮想通貨「イーサリアム」
「イーサリアム」とは、スマートコントラクトという機能を備えた分散型プラットフォームのことです。
イーサリアムを稼働できるネイティブトークンのことをイーサ(ETH)と言いますが、日本ではプラットフォームのイーサリアムもイーサもともに「イーサリアム」と呼ばれます。
スマートコントラクトとは、仮想通貨の取引データであるブロックチェーンにプログラミングすることで、様々な要件の実行を自動化できます。
例えばAさんが「6ヶ月後に5ETHを自分の口座からBさんに送金」という要件を設定しておけば、そのとおり6ヶ月後にAさんの口座から5ETHがBさんの口座に自動送金されるというわけです。
つまり、スマートコントラクトを利用し予め取引内容を決定しておくことで、様々な契約を自動化できます。
先に送金して相手方からノーリアクションという裏切りのリスクがなくなる上に、業務の効率化を図ることも可能です。
イーサリアムが誕生した歴史
イーサリアムは、2013年11月に当時19歳のウォータールー大学の学生だったヴィタリック・ブテリン氏により考案された構想です。
彼が作成したホワイトペーパーには、プロジェクトの内容・技術について、さらにブロックチェーンを活用したDApps(分散型アプリケーション)の開発環境となるプラットフォームの構築についても言及されています。
翌年2014年に開催されたのは、イーサリアムの開発資金を募るためにイーサとビットコインを交換するというプレセールです。
結果として、約6,000万ETH(約32,000BTC)という成果を出します。
準備期間を経て2015年5月にイーサリアムがテスト環境にリリースされ、7月30日に開発の第一段階であるフロンティアにアップデート、一般公開となりバグ改善など修正に修正を重ねていきます。
2016年3月にはホームステッドへ、2017年10月には開発第3段階であるメトロポリスにアップグレードを果たしたのは、イーサリアムの安定的な稼働が確認されたためです。
時価総額ランキング第2位の仮想通貨
イーサリアムはビットコインの次に時価総額が大きい仮想通貨です。
「仮想通貨の市場価格×通貨の発行量」で算出される時価総額は、仮想通貨の規模を示すものなので、イーサリアムの人気と信用度、注目度がわかります。
イーサリアムの市場価格は日本円で約14,800円、発行量は1,100万ETH、時価総額は1兆6億円です。(2020年4月2日時点)
ビットコインが抱える問題に対して多角的なアプローチを行っているイーサリアムは、k今後の様々な技術の開発が期待されています。